アンジェス MG メディキットとアンジェス MGがNF-κBデコイオリゴを用いた新規医療機器の開発製造販売契約を締結 -血管再狭窄抑制に有効な薬剤塗布型PTAバルーンカテーテルの開発-
2012-01-26
平成24年1月26日
各位 会社名
アンジェス MG株式会社
代表者 代表取締役社長 山田 英
(コード番号4563 東証マザーズ)
問合せ先 社長室長 鈴木 文彦
電話番号 03-5730-2641
メディキットとアンジェス MGがNF-κBデコイオリゴを用いた新規医療機器の開発製造販売契約を締結
- 血管再狭窄抑制に有効な薬剤塗布型PTAバルーンカテーテルの開発 -
当社は、メディキット株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:栗田 宣文。以下、メディキット)との間で、新しいタイプの薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル(以下、本製品)の国内における共同開発および独占的な製造販売契約を締結しましたのでお知らせいたします。
本製品はメディキットおよびホソカワミクロン株式会社と製品化の研究開発を行い、昨年3月にはメディキットと当社の間で開発製造販売に関する基本合意を行っておりました。その後、両社で治験開始のために進めてきた前臨床試験が順調に終了し、この度、国内の治験から上市に亘る共同開発および製造販売契約を締結いたしました。
本製品は、当社が核酸医薬として開発中の抗炎症薬NF-κBデコイオリゴが、血管炎症による内膜肥厚(血管の狭窄)に対して優れた抑制作用を持つことに着目し、PTAバルーンカテーテルの外表面にNF-κBデコイオリゴを塗布することでバルーン拡張による血管炎症や再狭窄を抑制することが期待され、世界で初めての抗炎症薬塗布型のPTAバルーンカテーテルを目指して開発中です。
透析シャントや動脈硬化症などの末梢血管内治療法で使用される現在のPTAバルーンカテーテルでは再狭窄率が高く、医療現場において再狭窄予防が期待できるPTAバルーンカテーテルの開発が強く望まれております。本製品は、既存のPTAバルーンカテーテルに再狭窄抑制という新しい機能が付加されることにより、再狭窄までの期間延長や外科的バイパス手術の回避が期待でき、患者様のQOL向上が見込まれます。また、本製品の治療対象は、末梢動脈閉塞症の患者様や約29万人に上る人工透析のうち狭窄・閉塞を有する患者様ですが、今後、糖尿病患者数の増加に伴い、透析患者数の増加が予測されております。
現在のPTAバルーンカテーテル市場はおよそ100億円を超えると推定されますが、今後、本製品をはじめとする有用性の高い医療機器の普及により、更に拡大することが予測されます。当社は本製品に関する一定のロイヤリティをメディキットより受け取る契約となっております。
今後両社は、透析分野、血管治療分野の医療機器メーカーとして実績のあるメディキットの製造販売力と当社の研究開発力を融合させ、臨床開発を進める所存です。本年上半期に治験をスタートさせ、早期の承認取得、上市を目指してまいります。
なお、本件による本年度業績への影響はありません。
- 用語の解説 -
1. NF-κB( nuclear factor-kappa B)
遺伝子は、生体の恒常性を維持する上で重要な働きを担っていますが、ほとんどの遺伝子は普段発現しておらず、必要な時に必要な遺伝子が発現できるように発現の制御を司っている蛋白質が転写因子です。NF-κBは、炎症や免疫が活性化する時、活性酸素などによる酸化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時に、細胞が炎症反応や免疫反応を惹起させるため活性化する主要な転写因子です。 実際に、NF-κBの活性化は、アトピー性皮膚炎、乾癬、関節リウマチなど異常な炎症や免疫関連の疾患を引き起こし、病態を悪化させることが指摘されています。
2. デコイオリゴ
遺伝子は、転写因子が染色体DNAに直接結合することで発現しますが、デコイオリゴは、その染色体DNAの転写因子結合部位と同じDNA配列を含む二重鎖の短い核酸で、体内に投与すると転写因子が染色体DNAに結合することを阻害して遺伝子の働きを抑えます。
3. NF-κB デコイオリゴ (NF-κB decoy oligodeoxynucleotide)
NF-κB デコイオリゴは、NF-κB結合部位のDNA配列をもつデコイオリゴであり、転写因子そのものを標的とすることから、既存の薬剤と比較して特異性、標的分子に対し確実に効果が発揮されるなど有効性の面で治療薬として優位性があると考えられ、また副作用の面でも軽減することが期待されます。当社では、アトピー性皮膚炎、乾癬や関節リウマチなど免疫反応を原因とする疾患の治療薬として研究開発を進めております。
4. 薬剤塗布型PTAバルーンカテーテル
PTAバルーンカテーテルとは、経皮的血管形成術(Percutaneous Transluminal Angioplasty)に用いられ、血管の狭窄部位にバルーン(風船)を挿入し、このバルーンを膨らませることで血管を拡張させて血流を回復させる医療機器です。このバルーンの外表面に薬剤を塗布したものが薬剤塗布型PTAバルーンカテーテルです。 当社が今回開発を進めている新規の薬剤塗布型PTAバルーンカテーテルは、血管内治療の際、すなわち狭窄した血管をバルーンで拡張する時、同時にNF-κBデコイオリゴが血管内側の組織に導入されることで、その後、血管炎症に基づく再狭窄を抑制することが期待される世界で初めての抗炎症薬塗布型PTAバルーンカテーテルを目指しています。
以上